戸建て住宅にお住まいの方なら一度は経験する「外装の塗り替え塗装」。
そもそも外壁って何年経ったら塗り替えればいいのか、どんな塗料がありどれを選べばいいのか、その耐用年数は何年なのか。外装塗装を考える際には、事前に知っておきたい情報ですよね。
今回は東北最大級のリフォームショールームダイクが「外装塗装の目安から、外装の不具合を見分けるポイント、塗料の種類とその耐用年数」について詳しくご説明いたします。
外装塗装の塗り替え目安とは?

外装リフォームの一番の目的は「建物の外装を整えて美観を保つことと建物の保護です。外壁や屋根は日常的に風雨にさらされ、歳月と共に老朽化していくため注意が必要な部分です。太陽光も劣化の原因につながります。
建物の外装が美しく見えるのは塗装があってこそですが、時間経過と共に塗装が剥げて色あせてしまうのはどんな塗料でも避けられません。
外装塗料のうち、最も多くのシェアを占めているシリコン系塗料は、商品によって耐用年数が8年から15年ほど。その他にも塗料はありますが、短いもので5年から。長いもので25年ほどが塗り替えの目安となっています。また、どんな外装でも良好な状態に保つには、定期的なメンテナンスが必要になります。
外装が劣化する理由
建物が劣化する原因は「雨風」はもちろん、人間と同じように「紫外線」も外装には天敵となります。
塗装は紫外線に長い期間さらされると、色あせ、変色し、建物の建材を保護している塗膜効果が維持できなくなります。塗膜効果がなくなれば、壁に汚れや傷が付きやすくなり、雨漏りなどの不具合に直結してしまうことも。
さらに、屋根裏や壁の内部などの見えにくい箇所へ浸水することで、カビの発生や建材の腐食につながるケースもあります。
壁や柱が内側から傷むと建物全体の耐久性も下がってしまいます。予想外の不具合を避けるためにも、適切なタイミングでの外装リフォームが必要と言えます。
もしも適切なタイミングで外装塗装を行わなかった場合、防水工事や外壁張替えなど本来必要のない工事まで必要になる可能性もあるのです。
では外装塗装を塗り替える目安って?
一般的に、外装塗装を塗り替える目安は、10年スパンと言われています。基本的には、塗料や建材の耐用年数に準じた時期がリフォームの目安となりますが、実際は劣化が進み具合により、前倒しで施工するケースも多くあります。
既存の建物に使われている塗料には、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料、無機系塗料の5種類があります。
目安としてアクリル系は5~7年、ウレタン系が6〜10年、シリコン系が8〜15年、フッ素系が15~20年、無機系が20〜25という耐用年数の基準が存在しています。こちらも記事の中で詳しくお伝え致します。
外装の劣化を見つけるポイント

外壁の劣化を補修するためにはまず劣化に気づき、なるべく早く塗り替えのタイミングに気付くことが大切です。塗り替えのサインとして挙げられるのは主に、サビ、色褪せ、ひび割れ、剥がれ、チョーキングなど。
サビ、色褪せ、ひび割れ、剥がれの4つは、専門知識がない場合でもわかりやすいと思います。次でもう少し詳しくご説明いたします。
【サビ】

「サビ」は、外壁において金属が露出している部分が錆びてしまう現象を指します。サビの発生した外壁は建物に廃れた印象をもたらし、見栄えを大きく損ねる原因にもなります。
外見上の問題だけでなく、内部にサビが侵蝕してしまうと建物の耐久性が大幅に落ちるので、修繕にも大きな費用負担が発生する場合もあります。
【色褪せ】

「色褪せ」は、塗装の色が経年によって薄くなってくる現象のことです。主に紫外線の影響によって引き起こされます。地域の環境によっては、酸性雨の影響で塗装が痛んで色褪せすることも。
【ひび割れ】【剥がれ】

「ひび割れ」や「剥がれ」は、太陽光や車の行き交いなどで発生する日々の微細な振動などの影響で発生することが多い劣化現象です。現象として塗装に亀裂が入り、剥がれてきてしまった状態を指します。これも建物にとって大きなリスクになります。
【チョーキング】

「チョーキング」は知識がなければ少し気付きにくい症状で、壁を触った際、手にチョークのような白い粉が付着してしまう状態のことを指します。
紫外線などの影響で、塗料に含まれる合成樹脂が劣化し、厚みを失ったことで、顔料が粉となって表に出てきてしまう事から発生する現象です。
知らなければ放置してしまいがちですが、チョーキングは外壁塗装が劣化している大事なサインとなります。
塗料の種類と耐侯年数

【ウレタン塗料】
ウレタン塗料は、シリコン塗料が一般的になる前に普及していた塗料です。特徴としては、非常に伸びが良く、独特の光沢があります。耐候年数は6~10年と言われています。
シリコン塗料が一般的に使用されるようになってからは、外壁面に使用される事が少なくなりましたが、現在は「密着性」という特徴を活かし、雨どいや手すりなど湾曲した部分に使用される事が多い塗料でもあります。
メリットは安価で経済的な事。密着性と延びが良い為、施工がしやすいという点。デメリットとしては他の塗料に比べて耐久性や防汚性に劣るという点があります。
【シリコン塗料】
シリコン塗料は、近年で一番スタンダードな塗料です。値段と耐久性のバランスがよく、カラーバリエーションも豊富。まずまずの耐久性と価格から、コストパフォーマンスが良い塗料といえます。耐候年数は8~15年と言われています。
広く使われている塗料の為、生産量が多い事も価格を抑える要因の一つです。また、親水性という特徴をもっている為、ウレタン塗料よりも汚れにくいものメリットです。水に馴染む性質で、塗装した外壁にホコリなどの汚れがついても雨水が汚れを一緒に流してくれます。
デメリットは塗膜の伸び縮みが少ないという点。外壁は地盤の揺れや外気の寒暖差でひび割れを起こすため、よく伸びる塗料なら小さな割れに追従し、外壁の素地が割れても塗膜でカバーしますがシリコン塗装は伸び縮みが少ないため地盤の揺れや寒暖差でひび割れを起こしやすい塗料でもあります。
【フッ素塗料】
フッ素塗料は特殊塗料の一種です。ホタル石という天然石を使用し、フッ化カルシウムを主成分とした塗料で、耐候年数は15年~20年と言われています。
非粘着性(汚れを寄せ付けない)、耐薬品性(酸性雨に強い)、耐候性(紫外線破壊を受けにくい)といった性質があり、テフロン加工をされたフライパンのイメージがわかりやすいと思います。
一般住宅に使用され始めて日が浅い為、頻繁な大規模修繕が難しい商業施設や大型ビルに施工されるケースが多い塗料です。東京スカイツリーにもフッ素塗料で塗装が施されています。
フッ素塗料最大のメリットは、高耐久性と汚れにくさ。フッ素には「撥水」の特徴があり、ワックスを掛けたばかりの車のように、水や汚れを弾く効果があり汚れにくいというメリットがあります。
デメリットは、フッ素塗料で塗装をすると、次回の塗替えの際に塗料がくっつかない場合があるということ。旧塗膜に塗装されたフッ素塗料の弾く性質が、新しく塗る塗料の邪魔をしてしまうため、専用の下塗り材を必要とするなど手間が掛かります。
【無機塗料】
無機塗料は「無機物質」を主成分とした塗料です。無機は炭素をふくまない化合物で、ガラスや鉱石のように紫外線に分解されない結合を持っています。耐候年数は20年~25年と言われています。
非常に耐久性があり、有機物のように藻や苔が繁殖しにくいので美観性においても期待ができます。価格帯もフッ素同様に高価で、商業施設など短かなスパンで塗替えのできない建造物に使用されるケースが多くあります。
メリットは、塗料の中でも最も耐久性が期待できる点と美観性に優れている点です。紫外線由来の劣化を受けず、また有機系塗料のように菌類の発生元にならないのも特徴です。
デメリットは硬さからくる割れが起こりやすい点です。外壁にガラスを塗るような施工のため、地盤の動きで住宅自体の躯体にヒビが入った場合、ヒビと一緒に塗膜も割れる恐れがあります。
外装塗装の工期目安と工程

外壁塗装にかかる平均日数は10日~2週間です。天候によっても左右されますが、外壁塗装に使われる塗料はメーカーにより乾燥時間が定められているものもあり、工程を短縮できない場合があります。そのため逆に短い工期で工事完了するという業者は注意が必要です。
また、工事日程が確定した時点で必要になるのが近隣への挨拶です。外壁塗装を行うと騒音や異臭、業者の立ち入りなど、少なからず迷惑が掛かる可能性があります。業者によって挨拶の実施有無が異なるので、どこまで対応するかは確認が必要です。
外壁塗装の工程としては以下のように大きく7つに分けられる。
(1)足場組立・飛散防止ネットの設置
足場は職人が高所で塗装する為の作業スペースとなる部分です。足場設置に大体、半日~丸一日かかります。組立時に足場業者の出入りが発生するのと、少なからず音も出るため注意が必要です。
(2)外壁の高圧洗浄
次に行うのが塗装前に外壁に付いているコケやカビ、汚れなどを落とす作業です。作業にはおおよそ丸一日掛かります。念入りに洗うというだけでなく濡れた家屋に塗装は出来ないため、乾燥させる時間も含めて時間が掛かるとお考え下さい。
(3)サッシ、エアコンの室外機、設備等の養生
続いて塗料が付着して欲しくない部分にビニールなどを使用し保護します。養生によって仕上がりが変わることもあるため、重要な作業。半日~一日がかかります。
(4)下地処理
外壁のクラックや傷の状態に合わせて補修を行う作業です。主にサイディングなどの目地のシーリング(コーキング)を打ち替える作業のことを言います。シーリングの打ち替えはこの後の工程で行われることもありますが、作業時間はおよそ半日~一日。サッシ周り及び外壁ジョイント部分に施工します。
(5)塗装作業
塗装は基本的に3回塗りで、下塗り・中塗り・上塗りと、それぞれ約丸一日かけて実施します。各工程で乾燥時間が必要になるのと、塗装内容によっては付帯部分の塗装や吹付といった工程も発生するため、塗装作業に5日前後かかることもあります。
(6)完了検査・手直し
塗装完了後、塗料の塗りムラや塗り残し等がないかを点検します。施主にも立ち会っていただき、問題がある部分は手直しをします。手直し後、再度確認し最終的な問題がないかを確認してから完了となります。
(7)足場解体
完了後、半日~丸1日で足場を解体します。組立同様、少なからず音が出るため注意が必要です。足場解体完了後に引渡しとなります。
まとめ
外壁塗装は大掛かりなリフォームとなりますが、建物の美観を保ち紫外線などからの劣化を防ぐ大切なリフォームです。東北最大級のリフォーム専門店ダイクなら、外壁塗装のプロフェッショナルが在籍。
外壁のカラーにお悩みの方でも、建物の写真をご持参頂ければ、専用ソフトを使った塗装シミュレーションもできます。また塗装以外にもサイディング見本も多数ご用意しておりますので、外装塗装、貼り替えを検討の際にはぜひお気軽にお立ち寄り下さい。